黒瀬隧道訪問記  その1 その1 その2 その3 その4
西条盆地を流域とする黒瀬川は,盆地の狭まった端から二級峡となり広平野へ急激に落ち込む。
その落差を利用して,明治32年に中国地方ではじめて水力発電所が建設された。さらに,呉市の上水道,工業用水道,治水を目的に昭和18年に二級ダムが建設された。

ダムは滝の直上に建設されたため,安芸国第一の滝と称された二級滝は空滝となってしまった。
二級峡は,イコール二級滝と言ってもよいくらい落差の激しい所で,車道も急な斜面にへばりつくようにヘアピンカーブで坂を登ってくる。
その峠の直下,ダムのすぐ脇に戦後昭和23年になって黒瀬隧道は開通した。
広側坑門のすぐ上には発電所施設と思しき塔が建っている。
新トンネル手前から分かれて隧道へ向かう旧道には,「大型車離合困難」と,書かれた警告標識がいまでも残っている。
旧道は放置された2車線道路だが,隧道の手前200mほどのところでコンクリートのでっかい塊が道を極端に狭めており,普通車が通れるかどうかは勇気のある人が実際に試してみないとわからない。
トンネル入り口には,フェンスが設置してあるが,扉は開いており,鉄パイプで出来たバリケードが置いてあるだけだ。
台風で倒れてきたと思われる木が,坑門に覆い被さっている。


黒瀬隧道訪問記 その2へ

黒瀬隧道(通常版)へ