晴雲隧道 旧道(吹ヶ峠) その1  その1 その2 その3  晴雲隧道へ
国道54号線で赤名峠とともに最も標高が高い場所にある晴雲隧道。かつては,島根県道路公社が経営する有料道路であった。

昭和56年に無料開放され現在では国道に編入されており,直線の豪快な上り坂で一時にこえているが,この隧道が出来る昭和39年までは,明治の県道大改修(広島−松江,広島−浜田,尾道−松江が広島県令千田貞暁が修築させた三大道路)以来の道路で峠をこえていた。
北側の上り口は晴雲隧道のすぐ脇から分かれているが,現在は通行止めとなっている。
近くに立派な直線道路が出来ているためなのだが,その直線道路結局は大規模林道を経て旧吉田村に続いている。

左は,旧道から国道54号方向を見たところ。
国道54号との行き来が出来ないだけで(おそらくはトンネルからの見通しが悪いせいであろう。)反対側は一般廃棄物処分場の進入路として使われている。
旧国道は一旦きれいに整備された,道路へ吸収されてしまうが,ところどころその残骸を残している。

現在の規格からみると狭いが,それでも当時としては道路幅はそれなりにある。

峠をこえたところで,畑仕事のおばあさんに話を聞くと,「昔はこんな広い道路をといわれていたが,あっという間に狭いといわれるようになってしまった。でも,傾斜がゆるい道ということで評判は良かった」ということのようだ。

小さなカーブが続く道だがかつては陰陽を結ぶ重要幹線として機能していたことが伺える。

右の地図は昭和51年発行の5万分の1地形図。まだ,国道色に塗られている。
上の写真右手へ延びる直線道路が旧国道54号である。
峠を目指してまっすぐに建設されている。

そして右がその直線の写真。これをそのまま3桁現役国道といわれても納得してしまいそう。だが,実際は昭和56年まで台帳上は2桁国道であった路線である。
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